2013年5月15日水曜日

2013.05.03-04 Brass Band SR&Live Recording Project終了報告

2013.05.03-04 Brass Band SR&Live Recording Project終了報告

昨年の終了報告です。

さてさて、今回会場が変わりました。
栃木県総合文化センターメインホールです。

 内容:宇都宮Kita高等学校吹奏楽部定期演奏会(有料公演)SRandLive Rec
1部 Classic Stage
2部 Guest Stage
3部 Wind Musical ロミオとジュリエット
日程:5月3日〜5月4日






今回のプランです。






3日 当日朝搬入及び仕込み ALL STAFF
地下駐車場からの搬入は、楽器類とかち合わないのですんなり。

AM 仕込みが落ち着いたところで、Na録音組みと仕込み続行組みに別れる。

機材の配置を落ち着いて、動作を確認しながらできた。
今回客席オペレート、奥が録音用、手前がSR用のミキサー。最も手前にポン出し用CD/MD。

Na録音は、SRミキサーにお任せ、録音開始だけみんなで立ち会い、その後の編集、CDRに焼板マスターづくりまでを任せて、仕込み続行。

仕込み続行組みは、Recミキサー、SRミキサー、トータルでマイクチェックを行う前に、事前練習。この時間が貴重だった。


有線マイクの一本にノイズが載っているのを発見。
現場での対応を色々体験できてよかった。
1:生きている系統、2:死んでいる系統、どちらもうまく使う。


Na録音は楽屋で行った。反射音等を抑えるため、毛布とか、配置に少しこだわってみる。
そして、プレイバックを聴かせる時のために、パワードスピーカーも用意。 


この画像は終わって片づけ最中、マイクアレンジ崩さなければよかったね



仕込み日3日の14時過ぎからリハーサルに間に合わせなければいけないため、急いで編集。
Naだけで10箇所位あった。
終わって、トータルでマイクチェック。




この時大事なことがある。
一本のマイクを、HOUSE(FOH)、MON、録音、放送など、複数のセクションで共用する場合。
・トータルでチェックする?
・転換時等、本番中はどこがチェックする?

一般的に、コンデンサーマイクの場合の純パラ、複数のミキサーから、ファンタム電源を送ってはいけない。送ってはいけない。同時に送ってはいけない。・・、3回書いてみた。

放送局主催の場合=放送局のミキサーからファンタムを送る。
コンサート主催の場合=MONのミキサーからファンタムを送る。(理由は距離が近いから、抜き差しの状況がわかるから)

だから、「どのように分岐されているか?」と「どのセクションがTop Priorityか?」常に意味を考える必要がある。



また、M-AQUAでは3点吊りのマイク装置(マイクは持ち込み)を使わせて貰う場合に、楽屋・調光・運営系をなるべくこちらで再ミックスして(モノにして)会館、ホールに送ります。
これは、本来ならば、ホールの一番良い位置のマイク装置を、外部業者(M-AQUA)が使わせてもらう=ホール内の状況を知るには、客席最後方のAir Micしか無くなってしまい、ホールの音響さんや、舞台、照明さんなどが、少し遅れた、少し明瞭度の低い音を聞くことになるから。





今回、運営系の楽屋ミックスは、SRミキサーのほうから送ってもらいました。
SRミキサーに、録音系のマイクが接続されるだけでも、実は危ない要素があったのだ。
信頼して、任せられるSRミキサーだからこそ、その辺りを周知しながら、操作にあたってもらった。
あと、2台のミキサーが全く同じインプットを共用していれば、どちらかのミキサーにトラブルがあった時に、入れ替われることもできる。SR/Recを最悪一台のミキサーで操作することもできる。
このアイデアは、NHK時代に学びました。 CR505というラジオスタジオ。
放送用のミキサーは、当時NEVEのVRPというミキサーがあり、そこから生放送をしていた。
反面、スタジオ内には、YAMAHA PM3000というPAミキサーがあり、そのPAの出力を副調整室まで、引き込んでおき、完全に放送用のミキサーがトラブルで使えなくなっても、PA-OUTで放送を継続できる(パッチは必要だが)。この考え、本当に大事だと思う。
・ホット待機(電源をいれておき、即座に切り替えられる予備)
コールド待機(電源はいれず、少しの時間があれば切り替えられる予備)
予備系、本線系の考え方、本当に大事。
少し難し話になりましたが、オンラインの仕事をしている人ならば、あたりまえのこと。
用心に越したことはないのです。

今回のロミオとジュリエット
もちろん、あの大事な場面のセット、手作りでした。
 この蔦は、ホンモノをつかっていて、枯れないように、ティッシュに水をしみこませて、水分を補給していたみたいです。



そして、マイクを追加。
バルコニー上と、バルコニー下の楽器をフォローするために、スポットマイクを追加。

 録音のみでしたが、PAでも即座に使えるように対応。

そして、ドライアイスが登場。
ドライアイスは空気より重い。そして、湿気があるので、マルチボックスやマイクなどの養生のため、箱馬でマルチボックスを少し高くしました。
画像で、青いケーブルが刺さっているのがマルチボックスです。




Classic系の収録の考え方はこうです。
1:Main Mic(3天吊り)
いわば、リファレンス、基準のマイク。

2:Front
舞台のつらにマイクを並べる。

直接の音を拾うというよりも、床に響いた音を狙う補助マイク。
場合によっては、セリフやWLマイク等SRをしていない音を拾う。

3:奥Main
3天吊で取りきれない、Stage奥のセクションのための補助マイク。
ステレオで使うことが多い。



北高は、プロの照明さんが入ります。
内容的にも、Classic要素と、ポップス演出要素同じくらい重要です。
シーリングとピンスポとの兼ね合いで、かなりMainマイクを高くする場合が多いです。


ここ数年、舞台のプロセニアムタッパの半分より上のことが多いですが、どんなマイクをMainに設定するかで、考え方が変わります。




今回当日変更したのですが、単一指向性のマイクをMainマイクに使うことにしました。
幅は、ORTFに準じた17cm〜20cm程度、120度。
M-AQUAの収音パターンでは無指向性のA-B方式(幅50cm〜100cm)が多いのだけれども、ここ数年ORTFにチャレンジしていました。


そして、かなりの確率で、Time Alignment Delayを使用します。
これは、Digital Mixerでの恩恵です。
初日仕込み日、リハーサルはつつがなく行われた。
夜になって、Naの変更-再編集、編集後にCDRを実際に再生するCDプレーヤーで聞いてみたところ。プツノイズがお尻についてしまった。

宿に帰ってから、メディアを変えてみようということになり、CDRを購入。
宇都宮市内のコンビニ4軒くらい回って得た感想。
今、CDRを売っているコンビニはセブンとローソン(一部)だけ。
他のコンビニは売ってないのと、売っているメディアがほとんどSONYとTDK、That'sは、売ってない。

翌日は朝から、リハーサル。8:00入り、早開けホールの皆さんありがとうございました。



今回もう一つのチャレンジで、開場前のウェルカム演奏を、2chレコーダーで収録。





安全対策について、今回特筆すべき出来事があった。



この木の件は、ここには書かずに、直接話しましょう。
これが、舞台人の心だとおもいました。
私たちは守られて仕事をしているし、色々なものを守らなければいけない。

いまも、「青春の輝き」のメロディが聞こえてきます。



本番終了後、コンクール応募用の音源を届けてお仕事コンプリート。
夕暮れの校舎に戻ってきた、OBの皆さんや、学び舎の空気をちょっと吸って、一路都内へ帰路につきました。



今回往復共に、渋滞渋滞、来年はもうちょい移動を考えます。
ホール会館音響対応、樋口さんありがとうございました。

STAFF
Sound Engineer Stage 楠田 和仁(Pakuma)
Sound Engineer Stage 長嶺 亜希乃(M-AQUA)
SR Mixing Engineer 嶽下 あい(M-AQUA)
Recrding Mixing Engineer 富 正和(M-AQUA)

来年は宇都宮市文化会館に戻ります。
長文ご拝読ありがとうございました。
とみ

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