2012年11月7日水曜日

2012.11.03 04 Ibaraki Hitachinaka Shigin HappyouKai SR Project終了報告

2012.11.03 04 Ibaraki Hitachinaka Shigin HappyouKai SR Project終了報告

例年訪れていた、古河よかんべ祭りではなく、
http://m-aquastaff.blogspot.jp/2011/11/2011110506-koga-yokanbe.html
http://m-aquastaff.blogspot.jp/2010/11/2010110607-koga-yokanbe.html
Pakuma楠田さんからの、依頼で茨城県はひたちなか市で行われた、詩吟の演奏発表会に行って参りました。

今回当日までに、貴重な一日の積み込み日があったので、こんな準備をしてきました。

と、まずは先週10/28の芸大DUC公演のお片づけ。データ取り。
 そして、まずは卓のマーキング、これだけで5分は稼げる。
 そして、ミニブームを貸し出す予定だったので、丸皿+Mini Boomを作ってみた。
 これが、結果的に重宝。スペースをあまり取らなくていいし、見た目が奇麗。
 M-AQUAで邦楽はあまりやらないのだが
http://m-aquastaff.blogspot.jp/search/label/Hougaku
邦楽用に丸皿卓上の奇麗なスタンドを買ってあったのです。

そして、このところ軽微な故障が多いスタンドを、メンテナンス。
意外な部分の疲労が多い。人間と同じだ。

今回32ch Inputに対応するため、HAも増設してもってく。
だから、こちらもプリマーキング。
こういうことをしていると、いろいろな想定ができるのだ。
あともちろん、マルチも書く。
クライアントさんからマルチボックスも2個借りる予定なのだが、書いておけば当日貼るだけですむ。
これ、なんかいい案ないのかね、マグネット付きで作るとか。

へいへい、おっさんのそんな準備は別にしていざ、ひたちなかへ。
しかし、これだけ十分準備しているのに、肝心のマルチケーブルを、ぎりぎりしか持っていかないことに、現場で気づく・・・。
スタッフの皆さんすいません。いきなり、やっちまいました。
あと30mが、もう一本あればね。どっかに忘れて来てないだろうな、北千住とか日光とかに。忘れないか、そんな大きなもの。

いろいろ、工夫してなんとか、仕込み。



元請けのお仕事ではないので、詳細の舞台図面等は載せられませんが、今回の問題は転換。てんかん。テンカン。
舞台広いわー、ひたちなか市文化会館
 今回アウトのスピーカーは、モニターのみの持ち込み。
プロセ・カラム(Mainね)は会館の装置だからすっきりなのです。
演目は、こんなのや。
 こんなのとか。

 こんな、お茶と詩吟とか。
 いろいろあるんですわ。
アウトのことからメモっておくと、やっぱりプロセにかなり助けられた。
カラムはMCが目の前に立たれたりするので、ワイヤレス系は結構パンで逃げました。はい。
サイドは、間口広いため、前サイド&奥サイド。
先方のプランニングでは、2系統で4個のサイドスピーカーのプランだったけど、絶対にサイド前とかに立つこともあると思うので、4系統別々。
Side MON AUXのPanが旨く使えないのはもう捨てて、かわりに、NL4のスピーカーケーブルを2ch SPマルチケーブルとして使用。スンゲー楽だったが、下手〜上手で40m+10mと、アンプを上手に固めたため、結構な道のり。
こんなことでさえも、大ホールは仕込みに余裕欲しいですね。
あとは、楽器系でaddtionalな追加モニターを一個用意。
パワードのMS101でも良かったが、せっかくアンプ持って来ているからパッシブのA80を用意。転換少しでも楽にしたい想いがありました。

詩吟は一人唄いだったら、WLで対応、4人、8人、13人、立ち、座りでいろいろかわるが、詩吟のマイクが58を13本、本当に大変な仕込み量の中、3人のStage Staffさんと仕込み日に助っ人の津田さん、ありがとうございました。

さてさて、唄はいいとして、邦楽で大事なこの楽器達。
琴、17弦、尺八
邦楽をNHKでやっていてよかった。
といっても、能狂言とか、長唄小唄、津軽くらいしか、やったことないけれども、やったことがあるのとないのとではやっぱり不安度が違う。
今回三味線こそなかったが、琵琶5Pというのがあった。

そうそう、音響の楽器用語でね、5Pといったら、5人ということなんです。
よく、北島三郎の紅白でさ、津軽50Pとかあるのね、それは『津軽三味線50人の演奏家』という意味です。
ただし、邦楽でもっとも大切なのはその演奏の役割と関係。

オーケストラなら、コンサートマスターの位置を知っておくべきだし、ビッグバンドなら、Tenor Saxの1番2番とか、どのTbがBassTbなのかとかね。長唄小唄なら、何丁何枚と数える。
三味線が何丁、唄が何枚である、そして、立て三味線と、立て唄が必ず内側。

もっと詳しく知りたい方は、当校でも夜間部でお世話になっている、音響家会長八坂賢二郎先生の、邦楽の音響デザインを参考にしたり、実際に聞きにいくことをお勧めします。
http://www.seas.or.jp/news/library/hogaku.html

洋楽と違うところが多いけれども、
・マイクセレクト
・マイキング
・ミキシング
等を考えた時に、どこで本来行われている音楽なのかという点がとても重要だ。

だから今回、スタッフに雪駄と足袋がいるかも・・・、などと考えてみたが、心配無用でした。檜舞台でやることもあまりなく、どっちかっていうと演台などでの、立ち唄いが一般的なようだ。

前日は仕込みで13:00からリハーサル。
このリハーサルで、かなりデータを取れたのが良かった。
データといっても、出る順番と声の大小、演奏の行方。
譜面らしい譜面はあるが、全く追えないので一度も見なかった、それよりもマイキングを画像で撮っておいて、確認出来るようにした。

ただね、ここまで読んでくれている皆さん、マイキングは写真や画像じゃだめだ、だめ。
及川先生に教えていただいたことで、かなり大事なこと。
それは、『マイキングは必ず絵を書け』と。

画像なんかじゃ覚えられない。
先輩のマイキングを盗む時にもね、必ずメモとスケッチをとる。
細かくためには、いろいろな特徴をどうにかして覚える、その時の音も覚える、こまかく描くために近づく、いろんな角度で見る。
録音やPAの本番でね、その音の移り変わりも聞く。
そして、それをミクシングした先輩の感想も聞く。

音響の先人、先輩は教えてくれなかったわけでは無いのだ、ただ寡黙なのは、それをただ教えてはいかんということ。
よく見る・よく聞く・よく話す・よく考えるし・よく動く。

ほんとに、脈々と受け継がなければいけないことに、今更ながらに気づく。
リバーブの使い方もポイントだ。ほんとは畳だね、能舞台なら板張りか。
まだまだ、修行が必要です。

そんなこんなで初日は終了。
舞台監督役割の照明家 栗山さん他スタッフの皆さんとともに茨城の海の幸をいただく。
個人的には、『まぐろほじほし』マグロの中落ちを貝殻で漉いて食べるのが、感動的に美味しかった。

翌日。
午前中、リハーサルをしていない演目について、スタッフ内で検討し、ケーブルの方向性や、修正を行う。頼もしい。
おっさんは、気を紛らわすために、なんどもたばこへ。

本番、転換はスムーズに行われ、演者の方々も気合いが入って、昨日より声のとおりがいい。
中盤にさしかかった頃、事件が起こる。





前日入念にリハした、VlとVcのマイクが生きないのだ。
演目の少し前に、スピーカーには出さずに、ラインチェック。
特に抜き差しもなかったマイクなのですが、心配性なので、結構前にチェックする。
生きない。
しかも、見た目と音を重視したかったので、クライアントさんはSM57のスタンド立てでいいといったマイクを、こちらの都合で変えたマイクなのだ。
こりゃやばい。

仕事でね、自分の私物を持ち込んでNGを起こすことほど、かっこわるいことはない。
だめなのだ、そんなことは。

ドタバタしている中の経緯をまとめてみました。


結果的に、前日のミックスデータ、Vl VcのEQ等全て再現できたので、ノントラブルで進んだかのように見えたが、はっきり言って血の気が引いた。
本当に3人のスタッフの皆さん、ありがとうございました。
FBにも書きましたが、わたしはステージスタッフもミクシングをしていると思っています。落ち着いたラインチェック・回線に空きがあった・パッチ替えが卓側は私一人なので、卓側での抜き差しは出来ないが卓の設定で難を切り抜けられた。
運がいい。
しかも、こういったトラブルというのは、とても経験になり、自信になったはず。

その後の最終演目、平家物語絵巻。
吟者(詩吟を唄う人)12人、琵琶3人、琴、17弦、尺八、転換素晴らしく、落ち着いて最終演目を楽しみながらミクシングできました。

当日は呆然としながら、(ホントに終わったのか???)帰宅。

翌日、どうしても思い立って、PAの課外授業無いで現象の再現。


コンデンサーマイクで、XLRの1番が切れた場合。
コンデンサーマイクで、XLRの2番or3番が切れた場合。
ダイナミックマイクで、XLRの1番が切れた場合。

ダイナミックマイクで、XLRの2番or3番が切れた場合。

そして追加で、本来バランス伝送のXLRの1番or2番or3番が切れた場合。
どうなるか、ここでは答えを載せません。
私たち音響の仕事の未来は、この『なぜだろう?』先輩が『こうだから、こうなんだから』という、経験の教えに付いては素直に『ハイ』と答え、必ずやってみよう。

それが、この仕事が社会的に認められること。
年齢や学歴や楽器経験、いろいろな環境、ジャンルを乗り越えて、オペレーターとかプランナーとか、既存のシステムももちろん尊敬しつつも、誰もが対等に音を守る誇りの高い仕事により近づいていくように努力したいと思うからです。

スタッフ
照明 栗山恭子さん(舞台監督のように我々を本当に支えていただきました)
音響 補助 栗山旦那様、津田さん
SR STAFF
今井 大輔
類家 雪
嶽下 あい
富 正和

感動的なステージでした、こんな機会をくれた、Pakuma楠田さん、ありがとうございました。

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