2012年11月11日日曜日

2012.10.28 Taro-K&Dreamers Union Choir Tokyo University of the Arts Senjyu de Kiku Sekai No Ongaku Project終了報告

2012.10.28 Taro-K&Dreamers Union Choir Tokyo University of the Arts Senjyu de Kiku Sekai No Ongaku Project終了報告

木島タローとDreamers Union Choir(ドリーマーズユニオンクワイヤ)は、今回北千住にある、東京芸術大学 千住キャンパススタジオAにおいて、公演を行った。
http://www.geidai.ac.jp/labs/alc/world5.html



タイトルは、『アメリカの音楽〜絶望を生き抜くための歌-ゴスペルとその系譜』。
世界の音楽を北千住で聞くという、目的の依頼公演でした。

ことのはじまりは、2004年日本における英語教育団体の草分け的存在、ラボ教育センターのhttp://www.labo-party.jp/index.html 英語音楽CD制作を、今回の会場である、東京芸術大学 音楽環境創造科の西岡龍彦教授http://mce.geidai.ac.jp/faculties/professorsより、私が録音の作業を依頼されたことから始まります。

ここで、西岡龍彦教授のご紹介をいたします。
西岡さんは作曲家 牟岐 礼として、の沢山の劇伴及びNHKスペシャル等の作曲のお仕事をされていました。わたしはアシスタントとして、いくつかのNHKスペシャルの音楽録音でお仕事をご一緒させていただきました。
NHKを退職して、まだ仕事が、順調にいくかどうかとても不安だった時に、西岡さんから、このラボのお仕事をいただいたのです。

ラボのお仕事は、こんな仕事でした。
子供達が英語の勉強をするための、音楽CD40曲。打ち込みではなくフルオーケストラでの録音、そしてオリジナルのアレンジ。録音はSound City Ast Bstで合計4日間、Mixで4日間、最大の編成はストリングス43221、木管、金管、パーカッション、ピアノ等、30代前半のフリーランス若造にとって、フルオケスタジオ録音は、アシスタントの経験こそあったものの、とてもチャンスをいただきました。

 今は無い、Sound City Est Mix Studio

そんな中で、さすがに英語の歌だけに、英語が堪能なSingerが必要だった。
もちろん、クライアントさんが探してくるSingerも何人がいたのだが、私は大事な2人を紹介した。
一人は、この1月に急逝した、Nathan Ingramさん。(画像は2004年12月)
そして、そのもう一人が、Dreamers Union Choir Director木島タロー氏でした。
(2003年仙台 青少年センターStudio)

そのころまだ、自身のChoirこそ立ち上げていなかったものの、タロー君の英語力とChorus指導力、そして米国人SingerのDirectionなど、このラボ教育センターCDプロジェクトでは、西岡教授の作曲編曲に大きく貢献し、大活躍でした。

そして、その後DUCの立ち上げから、木島氏自身はラボ教育センターのワークショップ等も多く手掛けながらも、あれから8年ここに戻ってこれたのです。

今回の企画は、北千住芸大併設のアートリエゾンセンターの依頼でもあるのですが、ここでもう一人5月に出会った大事な友人の紹介もいたします。
西岡教授の門下でもあった、作曲家の余田有希子(よでんゆきこ)さん。
実は5月のバラプロジェクトでご一緒していました。
http://m-aquastaff.blogspot.jp/2012/05/20120509-10-rose-yoden-yukiko-recording.html
余田さんは作曲の傍ら、こちらのアートリエゾンセンターでお勤めになっているようで、今回の公演でも、下見から大変お世話になりました。

さてさて、やっと本題です。

『アメリカの音楽〜絶望を生き抜くための歌-ゴスペルとその系譜』
出演は、木島タロー&Dreamers Union Choir。
今回あえてタロー君の名前を全面に押し出しているのは、通常のライブ公演ではなく、タロー君の引き出しにある、ゴスペルの歴史レクチャーといった面が強い演出だからです。
場所は、スタジオAこんなところです。
ソナの中原氏設計、もちろん音楽環境創造科の亀川教授も深く関わっているこのスタジオ。録音を前提に、しかも演奏者が演奏しやすい環境を目指してこの作られたスタジオ。
そう、NHKのスタジオみたいです。
ちなみに、この画像は1995年くらい、NHK 506 Stです。
画像左側が、亀川徹氏、右側が富です。歴史発見のテーマ録音だったか。
さてさて、話は戻りますが、そんなスタジオAに機材を持ち込むとこんな感じです。


この公演の前日は日光でのBigBandSR、正直連続した2現場について、とてもリラックスしてできた。作業量としては結構なものなのだが、両日ともこころ知れた出演者とスタッフで行えたからだ。しかし、よくよく考えると、こんな素晴らしい録音スタジオにこんなに機材を持ち込んで、『おたくどんな音を出すの?』と信じられないくらいのプレッシャーを感じでもおかしくないはずです、多分音響関係者の方なら解るはず。

今回のプランニングです。



 今回技術的な内容は、簡潔にまとめます。
・録音に適した音響設計がなされているスタジオでは、電気音響を使ってもとても良い結果が得られるということ。
・ワンツーで、チューニング中いつも気になるような周波数についてあまり気にならなかった。
・スタジオの床がとても強固で、しっかりしているし、ステージ上のパンチを持っていってちょうど良い残響になったのではないか。
・スタジオ・ステージ背面の反射の板について、当初とても不安であったが、サイドモニターから離れたメンバーには、それが逆に良かったのかも。
・唄いの位置と、Perの生音が分離出来たのも良い結果。8/25の一体感とは違うものだが、分離は良かった。
・パーカッションは、由君に教えてもらった通り、極力全体をとらえるようなサウンド作り、カホンのみbeta91を使用、
・Keyについて、念入りにコンプ、EQ等設定を行った。






最後に、今回大事なことを書いておきます。
タロー君も私も、故Nathan Ingramから、アフリカンアメリカンの黒人の歴史・音楽について大切なものを伝えてもらったと思っています。
そして、それを今一番力を注いでいる仲間(M-AQUA Staffももちろん含めて)とともに、このコンテンツを届けられたがとても幸せだと思います。
私もタロー君も、日本人でありながら、ふらっとこの異国を訪れて、生涯をこの地で終えたNathanがくれたもの、大事にしておこうとおもいます。

冒頭タイトルの、『絶望を生き抜くための歌』今、この混沌とした世の中で、どんな絶望や苦渋を飲んで、もがいている人もどれだけいるか解らない。

わたしにとってはとてもかけがえのない大切なものが、人とのつながりであり、音楽であり、音であるのかなと思います。

長文お読みいただきありがとうございました。
今回沢山の方に、公演そのものもお聞きいたいただきたかったのですが、また同じような公演があった時には、皆さんにお知らせをいたします。

『アメリカの音楽〜絶望を生き抜くための歌-ゴスペルとその系譜』
・出演
木島タロー
佐藤 由さん(Percussion)
Dreamers Union Choir

・アートリエゾンセンター 協力
伊志嶺 絵里子さん 余田有希子さん

・M-AQUA STAFF
石川 美樹
嶽下 あい

西岡 龍彦(牟岐 礼)教授
亀川 徹 教授(スタジオ使わせていただき、ありがとうございました)

出演者・スタッフ・観覧のお客様関わった全ての皆様、ほんとうにありがとうございました。
音響 M-AQUA Live-Sound
富 正和

20121112画像追加

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