2007年11月25日日曜日

2007.11.23 Kamata Gospel Live SR STAFF STAFF REPORT 35RP-2

2007.11.23 Kamata Gospel Live SR STAFF STAFF REPORT 35RP-2

富です。
蒲田で行われた、ゴスペルコンサートのレポートを対談形式で、ここに記録しておきます。
Hさんが、研修生のお一人です。

H: 搬入は、全体的なシステムやイベントの構成がちゃんとわかってないと、苦しいと思いました。紙や図面を見ながらってのも結構効率落ちると思った。参加する事が急に決まったのですが、事前に把握しておくべきポイントを、公演の全てとは言わずとも、自分が担当するであろうところを押さえておけると、より当日スムーズかなと思いました。
富:搬入時に結果的にトラブルは無かったのですが、『状況がわからない』というのが、スタッフとして不安ですよね。
H: そうですそうです

富:現場が、手上げという事なので、事前にこれだけは何人で運ぼうというのは、頭に入れてました。
ちょっと気を抜けば、ホントに誰が怪我してもおかしくない現場だったのでね。

富:だから、僕のポイントは二つです。
  ・手上げ階段の部分は、必ず4人以上で。
  ・不必要な物を、ステージ上に上げない(アンプや、卓周り)
 その2点でした。
H: 後者は、具体的に何をステージに上げてしまったのですか?

富: いや、何もステージ上には上げてないけど、普通に考えたら、ハウススピーカーっていうか、スピーカー全部と、アンプラックはステージ側だとおもうじゃない?
H:はい
富: 学校公演ではとにかく、ステージ上が狭いと言う事が問題なのでね。
H: そういう事でしたか、なるほど。

富: ハウスは、とにかく楽器の立ち位置より、客席よりでないと、にっちもさっちもいかないので、本来あり得ないくらい、客席側に設置しました。バスケットゴールの真下あたりでした。
H:そうですね、スピーカーより前になってしまうぐらいの席もありましたね
センターにもう一発置きたかったですか?

富: 中抜け用でしょうか?、予備のZX-1を2発もって行けたら、おいてもよかったとは思います。
サイドで兼用しようと思っていた、キーボードのモニターを増設する等変更はありましたが、バンドとクワイヤの距離が離れている分、バンド→クワイヤマイクのかぶりは少なくて良かった

H: そうだ、バンドの近くにいたので、バンドの事を書きます
ベーシストが本番中ずっとモニターを気にしてたのは、ベースアンプの調子が悪かったみたいで、リハーサルの時よりも音量が小さかったからのようです、フォーン入力の接触だと思いますが、はっきりした事はわかりません。
ドラムはリズムキープじゃなくて指揮者があっての演奏という事、指揮者が見えづらい位置だった事、等が関係しているかも知れないと思いました
富: そうそう、リズムが突然変わる事もあるしね。ピアノは絶対反対向きだと私は思いました。
あれじゃあ見えない。
ピアノの振りを決める時、『こっちじゃないのですか?』と、確認したのですが、お客さんの方向にピアノの頭を向けるようになったね。
H:トミさん聞いてましたよね。
富:どちらにしても、ピアノの位置が、ハウススピーカーに近いので、マイクを変更したわけです。
H:あーなるほど
H:最初の方はよかったんだけど、最後はピアノの(楽器)弦というか、フェルトがお疲れでしたね。
H:そういう事なんですかね。お昼に話聞いて意識したら、柔らかくなったのはわかって、それはそれで良いかなとも思ったんですけどね
富: あ、そう?クワイヤよりも、本番はピアノがどういったラインを弾いているのか、わからない感じになって、クワイヤの音質より、ピアノが一番心残りでした。
H:そうだったんですか。

H:ハウスからの出音がどうなってるかっていうのは、ステージ脇にいる人間としては分からない部分ですが、知りたいところですよね…。
富:
 ・まず生音
 ・マイクが捉えていルハズであろう音
 ・モニターSP
 ・ハウスSP
といろいろ音質が変わってしまう、条件がありますしね。
H: そうですね
Hこれは、ミュージシャンの皆さんが聞いたら怒らないでほしいのですが、その時の演奏のダイナミクスに関しては、演奏側の問題をすべて、音響で解決出来るわけではないので、エンジニアとしては、『これは演奏』『これはエンジニアリング』と、見極めが必要ですね。
・・・と言い切りながらも、もちろん、微妙なバランスの問題もありますがね。
H:ジョージの話ですか
富:いや、前から思ってました。
H:ある素材をミックスしてる時にそれはすごく僕も思いました、友達でも、はっきりとは言いにくい。
H:でも、マジックが起こる可能性も沢山もあって、アマチュアとかプロとか関係なくて、かっこいい音に演出すれば、より良い演奏になることもありうる。

富これはSRでは、はっきりと結果がでるし、録音でも、モニターミックスで、どんな音を聞いてもらうかで、演奏変わると思いますしね。
H:『演奏をどれだけやりやすくしてあげれるか』、っていうのは、すごく考えなくちゃいけない部分ですよね。
富:はっきりいって、それができていれば、そのセッションは8割成功だといえるしね。

H:あ、質問なんですけど、ステージ上は、下上両方に人がいるべきですか?
今回は2人とも下手袖にいたりするケースもありましたが
富: 下上移動が出来ないならば、いた方が良いけど、今回のソロマイクのケーブルが、袖からでていたわけでは無いので、どちらでもよかったです。クワイヤが上手の袖の階段を沢山通るので、その辺りのサイドやらマイクやらが倒れないように見ている→倒れたら出るで良いのではないでしょう?

富:何か意見の相違があったならば参考になるので教えて。
H:下手に2人いるなら、うち1人がバンドを見ていても良かったのかなと思いました。
富:あれ、そうなったんじゃないの?
H:トランシーバーは、誰が持つかという事もあるんですが、どこにあるのかも重要だなと思って。
富:あいやー
H:リハーサルの時に、バンドの近くにいたのが僕だったので、僕が最初上手からバンドの脇に移動したんです。バンドの脇から下手袖はシーバー無しで連絡が取れたので、上手には連絡手段がなかったのです。

富:クワイヤのモニターについて、忌憚の無いご意見をお願いします。
H:ああ、難しいですよね、
57のオフマイクって痩せませんか?まあダイナミックはみんなそうかも知れませんが。
富:オフマイクは低域がやせます。でも、無くなってしまうのではないので、へやの『うわん』という所をさけて、メイクアップしてます。
H:多分マスクワイヤが上がるステージ上にコンデンサーを置きたくなかったのかな、と思ってましたが
富:リハの時間が余りに無いのが問題です。コンデンサーの方がエリアは稼げますが、ローがかぶりまくります。

H:本番中もずっと10本ペアのリンクを使ってバランスをとっていたのですか?
富:コーラスというのは、結局本来は、空間で混じり合うはずの、和声をマイクで収音して混ぜ合わせる。
これはホントに難しいです。クラシックレコーディングの基礎に逆行していますので、大先輩達にぶっ飛ばされそうですが、僕の考え方はこうです。

マイクは、ダイナミックとコンデンサーとそれぞれグループにする。
EQと、ダイナミクスはグループを組んでそれぞれのCHで同じ動作をさせるようにしておきます。
グループフェーダーに入れてそのグループフェーダーで混ざってから、EQ/ダイナミクスするのとは違います。
あと、パンポットも、重要です。満遍なく振り分けた方が、広がり感を得られるけれど、誰かが突出した時にすぐばれる。
しかも、センターとの3dBの差は、センターで聞いてる人に取っては問題なくても、片方のスピーカーによっているお客さんに取っては大問題です。クワイヤマイクが何十本あっても、最近はパンは真ん中から始めます。 ホントにバランスとれてから、ちょっとだけ広げる程度ですね。あと、グループフェーダーで、ディレイを入れる時もあります。こうすれば、モニターにはディレイの入っていないクワイヤの音を返せる。

富:しかし、リハ中に、ピアノにディレイを入れたらいきなりハウった。結局やめたのは、とにかく、バンドのおかれてる、床や音響の状況があまりにも違ったからです。
H:かなりライブでしたね。思ったよりもリバーブかけてないなぁと思いました
富:あー、物足りない感がありましたか?リバーブも、プリディレイを無くして、一体感を求めるか、40ms-70msくらい離して別物にするかが、重要だよね。

H:一体感か、際だたせるか、っていう部分は、全体的なミックスに関わってくる部分ですね。同じマイクでも、曲によって使い分けるとかは、時間があればやるって感じですか?
富:グループを、ソプラノ、アルト、テナー、と分けるときもあります。リバーブの送りは均一ではないです。
H:送り量だけでなく、違う設定のリバーブに変更したりする事がありますか?
富:クワイヤの音響では、違う設定は無いけど、高いパートの方がリバーブがかかりやすいし、低いパートはもわもわになるので、量をかえてるってことです。

富:こないだフラメンコの現場であったのは、モニターのオペレーターさんが、ソロシンガー(カンテといいます)の分だけリバーブを用意してました。それは、モニターが絡んでくると、マイク1本、一人のソロシンガーについて、1系統づつ、リバーブが無いと、モニターにリバーブを返せないからです。
このあたりは、デジタクだと、楽だけどね。アナログだと、最低でもリバーブが4台で、4Uいるしね。
H:そうか、別系統でリバーブが必要な場合があるんですね!
富:あと、濁りもあるし全く同じ設定で、別系統ってのが必要なときもあるんですがこれ。
H:そうなんですか…最終的に混ざるとしても?。

富:エコールームが一つしかなかった時代はどうやってやっていたのかねえ?
あー、エコールームで再生するスピーカーとマイクの位置を、それぞれ変えればいいのねん。

富:話は戻りますが、今回コンサートのスタイルの方が、実際の教会の礼拝に近いです。
ディレクターの裁量で、サイズやテンポや演奏のダイナミクスが、ばんばん変わります。
H:そんな感じでしたね

H:搬出終盤、注意も受けましたけど、若干集中切れた感はあったかも知れません。
富:どのあたりだっけ?もう忘れちゃった。
H:積み込みですね
富:あー、あれは、エムアクア独特なので良いんでないのですか?
H:そうなんですかね?
富:プラ箱とか、黄色いざるとか、トランクとか、3Uのラックとか、呼び方をもう少し、指示された人がわかりやすいようにしたいね。箱に動物のシールでも貼っとくかい?『そこの象の箱とって』とか、『ウサギのトランク』とか、『猫のケース』とかね。
まあ、色がやっぱりわかりやすいかなあ。
H:色なら、遠くからでもわかって且つ不自然じゃないですね
ってかあれですね、トラックの前に並べる時に、似たもの同士整理しておいておけば良いんですね
、でもそんな余裕無いかな
富:まあ、そうだね。見える範囲に八百屋のように、並べてもらって、指差すってのが、早いよね。
何にも言わずに、プラットフォームに持ってこられるのが困るね。
H:なるほど。
富:何でも持ってくれば良いってもんでもない。

富:あるPA屋さんは、全ての機材に4桁の番号振ってたけどね。それも、探すのが大変だしなー。
機材は、まだまだ、もっと減らしたいと思っております。
H:現場に持って行く数を、って事ですか?
富:そうです、あと頭に叩き込んでほしいのは『二度手間』をなるべく無くすように、機材のふたを開けたら、同時に持って行く物は持って行くように、効率化を少しでも考えてほしいってと思います。

ある研修生さん(読んでいたらごめんなさい、でも怒らないで)がセッティング&撤収の時にマイクを束で持っていたので、少し、叱りました。
どんなマイクでも手で持てるのは2本です。注意したのは、床に置こうとしたところ。
H:それ以上持っても結局意味無いですしね
富:かごや、ケースのふたをうまく使えってことです。
放送局では、倉庫からマイク出す時に、買い物かごみたいのに入れてました。
H:そうか、倉庫から出すとなると、そういうの必要ですね
まあ、あんまり雑な物だと怒られるけど、買い物かごの中に、スポンジを敷いてあるかごを使ってる所もあります。

富:Hさんまた、よろしくお願いいたします。

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